トップページに「受診にあたってのご注意」を追加しました。

足の外科で扱う疾患は、足首からつま先までです。いわゆる「脚」ではないので、股関節や大腿、膝などは含まれません。

時々なのですが、受診後に初めて、ご自身が「足の外科」の対象疾患ではないことを知って、がっかりして帰られる方がおられます。こちらとしましても、せっかく受診していただいたのにお力になれず、大変心苦しく思います。なので、受診される前には、ぜひ、足の外科で扱う疾患をご覧いただければと思います。

すでに記載のあった、巻爪、陥入爪が当院では皮膚科での治療になることに加えて、下腿静脈瘤は血管外科(残念ながら、当院にはありません)の疾患であることを追加させていただきました。

また、これが一番多いのですが、足底全体のしびれ、特に両足がしびれる場合は、ほとんどが脊椎疾患か糖尿病などが原因です。足の裏だけだけでなく、足の甲や下腿にもしびれがあるなら、なおさらです。足の外科で扱う疾患では、踵を含んだ足底全体にしびれを生じることは少ないです。足根管症候群の場合には足底のしびれを生じることはありますが、私の経験では、足底といっても、足指から土踏まずまでが多く、かかとまでしびれることは少ないです。

足の外科で扱う疾患には、足根症候群は掲載していますが、足根症候群は未掲載なのに気づきました。すみません(汗)。)

さらに、両足ともしびれる場合、両足で同時に同じ足の外科疾患を生じる確率よりも、両足に行く神経が一箇所を通っている脊椎に疾患があったり、糖尿病による神経炎などの疾患のほうが、よほど確率が高いことになります。

私の経験では、10年ほど前にお一人だけ、両側の足根管症候群で同時に両足底がしびれていた方がいました。レントゲンを撮ると先天性の距骨下関節不全癒合症があり、ここに加齢変化で生じた骨棘が、ほぼ同時に足底にいく神経を押したことが原因でした。ただ、それ以来、両足底のしびれで受診された方で、足の外科疾患が原因だった方は、記憶している限りではいらっしゃいません。結局、足の外科疾患ではなく、脊椎疾患や内科疾患が原因と考えらました。なので、当科を受診する前に、脊椎専門や内科を受診することをおすすめします。残念ながら、他院で原因不明と言われて、困って当科を受診された方であっても、足の外科疾患でもないと判断せざるをえない場合もよくあるのですが・・・。

この他、下腿の浮腫についても追加しました。浮腫、いわゆ「むくみ」は、さまざまな疾患で生じますが、治療が必要なのは、心不全や腎不全などの内科疾患や、血流障害による血管外科疾患です。麻痺や外傷、加齢変化などでもむくむことがありますが、その場合は歩行量の減少による循環不全が原因なので、浮腫そのものではなく、原疾患が治療の対象になります。ただ、外傷や足の疾患による腫脹、いわゆる「腫れ」と、浮腫「むくみ」は異なるものなので、注意は必要です。

繰り返しになってしまって恐縮ですが、受診される前には、ぜひ足の外科で扱う疾患をご覧いただければと思います。

ご興味のある先生で、参考文献を探しておられる方に、MIS足の外科センターからのおすすめの書籍を掲載しておきます。

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