MISで使う器具:小型ラスパ

ラスパとは、ラスパトリウムの略称で、日本語だと骨膜剥離子といいます。

骨から骨膜という組織を剥がすもので、整形外科ではよく使う手術器具の一つです。

足の外科のMISでもよく使いますが、一般のものと比べてかなり小さいです。

今、私が使っているものです。左右でギザギザの付いている側が反対になっています。
手に持つとこんな感じです。かなり小さいのがわかると思います。

普通の整形外科手術と同様、骨を切る前に骨膜を剥がすのにも使いますが、MISでは骨を切る前に皮下に十分な作業エリアを確保する目的もあります。

また、骨や腱、関節包などを切った後にこの小ラスパで触診して、きちんと切れたかどうか確認したり、骨切り後に残った骨の小さな破片を掻き出すのにも使います。

私が日本でMISを開始した2011年には、手術器械のカタログやネットで調べたりしても、なかなかちょうどよい大きさのものが見つかりませんでした。なので、最初は、アメリカ足の外科学会に参加したときや、アメリカの足病医向けの手術セミナーに参加したときに購入しました。今、私が使っているは、アメリカで購入したものですが、ドイツ製です。

(後で説明する機会があるかもしれませんが、アメリカには整形外科で足を専門にしている医師と、足の疾患専門の大学を出た足病医という方たちがいて、日本とは異なる医療体系になっています。)

器械の展示と併設して直販もしており、日本で買うよりかなり安く買えます。また、アメリカの足病医向けのサイトでのネット通販もあります。

欧米ではMISの器械がセット販売されていて、その中に必ず入っています。日本では、ようやく昨年からアメリカの会社のセットが販売されるようになりました。

欧米では器械の開発も盛んで、毎年のように手術を簡便かつ正確に行えるようにするための画期的な器具も出てきていて、これからも楽しみです。

タイトルとURLをコピーしました