残念な器具たち:鼻鏡

徐々にシリーズとして定着しつつある、「残念な器具たち」のコーナーです。足の外科のMIS用に使える器具がないか、私がいろいろと模索した結果の黒歴史、あだ花、紆余曲折をお示しすることで、これからMISを始めようとする方が同じ失敗をおかさないようにする教訓にしていただければと思います(笑)。

さて、ドリルやネジを入れる際、周囲の皮膚や神経などを守るために、普通の整形外科の手術では、助手に筋鈎という道具で周囲の組織を避けてもらうことが多いです。

ですが、MISの場合、よほど小型のものでないと傷が小さくて筋鈎を入れることすらできません。

今は、その代わりとして、小型のペアンという道具で避けることが多いです。

MISに使える道具がないか模索していたときに(今もですが)、日本の整形外科の器械のカタログをいくら調べても、なかなか使えそうな物が見つかりませんでした。

そこで、他の科で使っている器具の中になら使えるものがあるのではないかと思って、いくつか試したことがあります。

その中の一つが、鼻鏡です。

本来は、耳鼻科で鼻の穴を広げて中を観察したり操作するのに使う器具です。

こんなかんじの器具です。
このように開きます。

これなら片手で使えるし、MISにもよいのではないかと思いつきました。

そこで、耳鼻科外来に行って実物を見せもらい、その中で一番小さいものならMISで使えるのではないかと考えました。

ところで、みなさんは、最近は医療器具の一部もAmazonで買えることをご存知でしょうか?その種類や数も、徐々に増えてきています。

私は、この自分のアイデアを検証すべく、Amazonで売っている中で一番小さいサイズのものを買ってみました。

その結果、金属製なので手術中でも使えるように消毒はできるのですが、残念ながら、それでもMISの傷に対してはサイズが大きすぎました。

結局、例によって引き出しの中で眠っていますが、MISには使えないことがわかったので、それだけでよしとしました。

この記事を読んで、足の外科のMIS用に買おうと思う方はいないとは思いますが、一応、販売サイトを上げておきます(笑)。

追記:このあと、「耳鏡」も試してみたので、報告を追加しました(笑)。もしよろしければ、ご覧ください。

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