MISのコツ:骨切りの基本(足の外科医向け)

基節骨P1骨切りの前に、骨切りの基本について説明します。

これはすべてのMISに共通ですが、骨切りの際に厳守すべきことは、

1,ブレード部分が骨外に出る長さをなるべく少なくすることで、創部や対側の軟部組織損傷のリスクを減らすように、必要十分なブレード長のバーを選択する。

黄色の楕円は皮切です。
①バーのブレード部分が皮下に収まっており、対側のバーの先端の突出も許容範囲。
②ブレード部分が皮下に収まっておらず、対側の突出も多く、不適切。

2,皮膚熱傷や骨のheat necrosisを避けるため、低回転高トルクのモーターを使い、冷生食をかけながら行う。

私の普段の回転数は、4000〜5000 RPMです。若い方などで骨が固い場合には、一時的に10000 RPM近くまで上げることがありますが、いきなり回転数を上げる前に、バーの溝に詰まった骨デブリを除去してみます。また、バーが頻繁に止まる場合は、骨が硬すぎるか、軟部組織を噛んでいる可能性もあるので、確認が必要です。

この器械の場合、数値x1000がRPMになります。普段使っているのは下の矢印のところで、骨が硬い場合には上の矢印まで回転数を上げています。

これでも骨が切りにくい場合、低回転にこだわって力任せに骨切りをしようとすると、創部が挫滅したり、器械がオーバーヒートすることがあります。オーバーヒートして使えなくなったのは私の経験では1、2回ですが、念のために予備のハンドピースを用意しています。

以前は、助手や看護師に留置針の外筒をつけた注射器で冷生食をかけてもらっていましたが、現在はハンドピースに取り付けた洗浄用パーツに点滴セットを接続して使っています。

実物は滅菌されており、カタログからの写真なので見づらくてすみません。

3,創縁の挫滅を避けるため、バーのワイパーモーションが大きくなる場合には、皮切を大きめにする、バーが傾いていって接近する側の創縁に近い皮膚を、反対の手やハンドピースを持つ手の空いている指で引っ張ることで、創縁をバーから少しでも遠ざける。特に関節リウマチなどで皮膚が薄い場合や、外傷後、植皮後で皮膚の可動性が乏しい場合などには注意が必要です。

黄色の楕円は皮切、オレンジの円は骨、青の矢印はバー、赤の矢印は皮膚の牽引方向です。
①バーの最初の位置
②ワイパーモーションで背側の骨切り中。皮膚を赤の方向に牽引して、創縁をバーから遠ざけている。
③底側の骨切り中。皮膚を先ほどとは反対に牽引している。

4,骨デブリを除去、洗浄する。特に皮下にデブリを触れる場合は、術後に滲出が続いたり、患者様が気にすることもあるので、要注意です。ほとんどの場合、経過を見ているうちに吸収されて触れにくくなりますが、まれに骨切り部とつながって骨棘を形成することがあります。

また、MISによる関節固定術以外で骨デブリを関節内に残すのも、炎症やROM制限の原因になると思われます。

用手的に圧迫して泥状になったデブリを絞り出し、もう少し大きいデブリは小ラスパで骨膜や関節包からこすり落として出します。さらに留置針の外筒をつけた注射器を使って洗浄し、流出した水の中に骨デブリが出なくなるまで洗います。透視も活用して、ある程度大きい骨片は、皮切を拡大してモスキート・ペアンなどで除去します。

ご興味のある先生で、参考文献を探しておられる方に、MIS足の外科センターからのおすすめの書籍を掲載しておきます。

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