足のMIS、特に第3世代MISは、2022年3月現在、日本では私しか行っていません。逆に言えば、MISについては国内では誰にも相談できないため、国際学会や海外での手術セミナーに行く際には、今後もいろいろ相談できるように、まずは相手の方に自分を覚えてもらえるような工夫をする必要がある、と思いました。
もちろん、海外の先生にも認めてもらえるような発表ができれば一番いいのですが、必ずしもそうはいきません。特に、当初はそれほどMISの経験もなかったので、どうすれば自分を印象付けられるかと考えました。
そこで思いついたのが、名刺です。
日本や海外でも、名刺をいただくと、裏は白紙か、表に母国語で書いてあることが裏に英語で書いてある、という場合がほとんどでした。
そこで、ビジネスマン向けの名刺の本を買って研究した結果、まずは顔写真を刷り込むことにしました。お互い人間なので、あとで名刺を整理するときでも、顔が見えたほうが親しみが湧くだろうと思ったのです。
また、裏が白いのではもったいないので、自分の主な所属学会を記載したりして、専門性をアピールするようにしました。
さらに特徴を持たせるためにもっと何かないかと探したところ、カール事務器というところで販売している穴あけパンチのカタログの中に、足型のものを見つけました(今回は人の足型は見つけることができませんでしたが、一時期、ダイソーにも売っていました)。
さっそくこれを取り寄せて、名刺の余白部分に足型の穴を開けるようにしました。
この工夫は、名刺を交換する際にけっこう注目される事が多く、外国人にも評判がいいです。私の名刺を真似て、自分の名刺にも足型のパンチをするようにしたと言って、見せてくれた海外の先生もいました。
ただ、名刺の紙はそれなりの厚みがあるため、一度に1枚ずつしか穴あけができません。なので、名刺の新しい100枚セットがくると、その都度、一枚一枚穴を開けないといけないので、少々疲れます(笑)。
あと、名刺入れには、三つ葉葵の印籠を使っています。海外では、これは将軍の薬入れだと説明することで、話のネタにもなります。
最近、さすがに顔写真が古くなったのと、名前が変わった学会もあったため、新しい版の名刺を作りました。
今は、PCよりもスマホでこのページにアクセスしている方のほうが多いときいたので、最新版ではこのホームページのQRコードを入れてみました。携帯にかざせば、すぐにここにアクセスしていただけます。
このQR コードは、外来の待合所の壁にも張り出して、患者さんが待ち時間にこのMIS足の外科センターを見ていただけるようにしてあります。
それでも、海外の先生の中には、私も顔負けの名刺をお持ちの先生もいらっしゃいます。カラフルでとてもおしゃれだったり、かなり個性的な名刺もいただいたことがあります。
一番印象に残ったのは、アメリカの足病医向けのMISセミナーでいただいた、この足型の名刺です。
表にはホームページのアドレスと電話番号だけが書いてあってシンプルですが、裏はなんと紙やすりになっています。これで足の爪やタコ、かかとの角質も削れるという実用性もあります。これは一度見たら忘れられないですよね。