国際学会 2012年 オランダ

ヨーロッパ足の外科学会は2年に一度の開催です。

前回、2010年にスイスで行われた同学会で足の外科のMISと衝撃の出会いを果たしてから、日本やアメリカの学会とかなり雰囲気や内容が異なるヨーロッパの学会は、私にとっては宝の山だったので、スイスの次の2012年、オランダで開催された学会にも参加しました。

首都アムステルダムから離れたところが会場で、名前は難しくて発音しづらいため、未だに覚えられません(笑)。

会場に向かう途中のアムステルダム駅で、バルセロナのMIS手術セミナーのときに一緒だったイタリア人のCalroと会って、一緒に会場に向かいました。

学会では、オランダらしく、会長も木靴を履いてご挨拶されていました。

私は、前回のベルギーのときよりは症例数も増えていたので、ポスター発表でしたが、外反母趾のMISのうち、当時よく行っていた近位楔状骨切りbasal osteotomyの術後成績を発表しました。

このときの学会には、アメリカの有名なCoughlin先生が招待されており、ちょうど当時始まったばかりのplantar plate損傷に対する手術の講演と、模型を使った手術の実演をしてくれました。私は一番前にいたため、Coughlin先生が切る模型の足を持つ係を買って出て、特等席で見ることができました。

このあと、Calroが、Coughlin先生のサインを貰いに行こうと誘ってくれたので、学会のプログラムに書いていただくことができました。今でもパソコンのデスクトップ画面で表示されるようにしています。Calroの素晴らしい提案に感謝です。

また、外反母趾の第2世代MIS手術で有名な、イタリアのMagnan先生も来られていたのでご挨拶させていただき、一緒に記念写真を撮らせていただきました。ただ、“No Face book”とおっしゃっていたので、写真はお見せできません(他の方も含め、肖像権の問題があるため、この「ブログ〜MIS研究所〜」では、自分の写真以外は出さない予定です)。

日本やアメリカの学会と異なり、当時でもMISについての発表がたくさんあり、とても勉強になりました。

このとき、特に気になったのは、イギリスのRedfern先生の最小侵襲踵骨骨切り術Minimally invasive calcaneal osteotomy (MICO法)の発表でした。

この講演後、さっそくRedfern先生を捕まえて挨拶し、ぜひ手術を見たいと頼み込みました。Redfern先生は快く引き受けてくださり、帰国後も連絡を取らせていただいて、その年のうちにイギリスのブライトン・サセックス大学病院で行われたMIS手術セミナーに参加させていただいたのですが、そのときのことは、また次の機会にお話させていただきます。

私には、国内外にたくさんの師匠がいると(勝手に)思っているのですが、このあとRedfern先生も私の偉大な師匠の一人になっています。

余談ですが、地図を見ると学会場の近くにシーボルト記念館があったのですが、行く時間がありませんでした。シーボルトといえば、江戸時代に長崎の出島でオランダ医学を日本人に教えたことで有名です。休み時間にオランダの先生と話しているとき、話のネタとして出したのですが、意外なことに、知っている先生はほとんどいませんでした。恥ずかしながら、シーボルトが実はドイツ人であることを、このとき初めて知りました。

このときの学会は、終わってから少し時間に余裕があったので、学会主催のミニ・ツアーに参加しました。運河旅行のあと、昼食はオランダ料理かと思いきや、なんとインドネシア料理でした。インドネシアは、かつてオランダの植民地だったことを、このとき初めて知りました。

食事をしたレストランの近くで見つけた和食のレストランの看板です。どんな料理を出すのか、少し興味がありました(笑)。

ここでは、有名なイタリアのGiannini先生やMagnan先生と同席で、最初は緊張しましたが、お弟子さんの若い先生たちと雑談しているうちに緊張も解けて、楽しく過ごせました。

そういえば、このときはAmazonで買った金属を使っていないベルトをしていて、それまではどこの空港でも特に問題ありませんでした。この学会の帰りの空港でのことですが、普通だとパスポートを出す前に荷物のレントゲン検査があるのですが、ここでは航空会社のゲートのところにも検査所がありました。航空会社のキャビンアテンダントが検査をしていて、ベルトを外すように言われました。このベルトは金属無しだから大丈夫と言ったのですが、「私の言うことが聞けないなら搭乗させない!」と怒鳴りだしました。周りの人も驚くほどの様子だったので外しましたが、彼女の虫の居所が悪かったのかも知れません。

下記の本には、Redfern先生やCalroも寄稿しています。もしご興味があれば、ご覧になってください。

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