海外のMIS手術セミナー その2 2012年 バルセロナ

2012年6月29〜30日、スペインのバルセロナで行われた、国際最小侵襲足の外科学会(GRECMIP、現在のMIFAS)によるMIS手術セミナーに参加しました。

このときは、初回とは異なり、まずバルセロナ市内で2日間の講習があり、その後に郊外の施設に移って実際の足を使ったレクチャーがある、という形式でした。

このときは、残念ながら手術レクチャーは予約した時にはすでに満席で、最初の2日間の講習のみとなりました。

どのみち、このときのレクチャーは、前回受けた内容と同じだったので受けなくてもよかったのです。

ただ、足の外科のMISを日本で行っている人が他におらず、実際に自分で手術を行っていく中で生じた疑問を解決できないこともありました。そのため、このときのセミナーでは、それらの疑問を解決することを目的として、質問を多数用意して、休み時間や夕食のときに聞きまくるために行きました。

この時の講習では、以前の講習やフランス語の本で知っていたのですが、特にフランスのPiclet先生のハンマー趾に対する講演が勉強になりました。

このときのセミナーには他にも用意がありました。前回、ベルギーの学会のときの夕食で隣だったイタリアのScala先生との再会です。先生は、そのときに、たぶん冗談だったと思うのですが、日本の忍者の衣装が欲しい、と言っていました。

事前の予定表で、Scala先生も講演に来ることがわかっていたので、忍者の衣装ではありませんが、漢字のロゴの入った黒いTシャツを準備して、プレゼントしました。

ちょうどセミナーの期間中にスペインとイタリアのサッカー・チームの試合があったらしく、Scala先生はイタリア・チームのユニフォームを着て発表されていました。

Tシャツをプレゼントした翌日、そのときのユニフォームをわざわざ洗濯して持ってきて、私にお返しとしてくださいました。今でも、そのユニフォームは記念として取ってあります。

となりに漢字TシャツのScala先生がいらっしゃるのですが、許可をいただいていないので、お顔は出しません。

他の先生に見せたら、会場の外、特に夜は着て出ないほうがいい、熱狂的なスペインのサッカー・ファンとトラブルになる可能性があるから、と言われました(笑)。

昨年2021年、Scala先生に手術してもらった患者さんから、日本に戻ったら、私のところで診てもらうといいと言われたとのことで、連絡をいただきました。特に術後支障なく過ごされているとのことだったので、新型コロナの影響が収まってから来ていただくことにして、まだお会いできていません。

この学会の好きなところは、新しい技術や知識の交換ができることはもちろんですが、ヨーロッパや南米などの各国から、母国語が英語でない先生が多く来られており、あまり自分の英語を気にしなくても遠慮なく質問できること、大所帯ではなく、みなMISを学ぶという同じ目的で集まっているので、すぐ知り合いになれることです。

このときも、休み時間にスペインのRabat先生に、手術レクチャーは満席で予約できなかったので、2日目の講習が終わったら帰国することを話したら、「学会秘書に、なんとか参加できるようにかけあってあげるよ」、と言ってくれました。ただ、飛行機の予約をすでに取ってあったので、残念ながら、感謝しつつもご厚意だけ受け取りました。

この先生は、外反母趾に対する経皮的scarf法や、モートン病の鏡視下手術などで有名なかたです。

さて、国際学会に来ると何かしらトラブルに遭う私です。バルセロナには日本からの直行便がなく、このときは、FIN airを使ってフィンランド空港での乗り継ぎでした。

行きの際、パスポートと荷物のチェックも終わり、フィンランドの作家が原作のムーミン・ショップを眺めた後、次の便を待っていたときです。なんと、全館放送で呼び出されました。今度は何をやらかしたんだろうと思って指定の窓口に行くと、荷物検査のときに、学会やホテルの書類などが入ったファイルをしまい忘れて置きっぱなしになっていたのを、わざわざ知らせてくれたのでした。それがないと、バルセロナに着いてから、いろいろ困ったことになっていたはずなので、助かりました。でも、外国の空港で全館放送で名前を連呼されるのは、もし日本人がいたらと思うと、恥ずかしい限りです。例によって、今回のセミナーも日本人は私だけだったので、知り合いがいた可能性は低いとは思いますが。

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