国際学会 IFFAS, AOFAS 2014年 シカゴ

2014年9月19日から23日まで、アメリカのシカゴで行われた国際学会に参加しました。国際足の外科学会IFFASとアメリカ足の外科学会AOFASとの共同開催で、いつもの倍の開催期間でした。

私は、MISについてのポスター発表を2つさせていただきました。

いわゆるbasal osteotomy、proximal closing wedge osteotomyの成績です。
骨棘を、底側に傷をつけずに削る方法です。

ここでは、2010年にワシントンで開催されたAOFASでお会いしたMiller先生と再開しました。お土産に持っていった日本酒(最大の感謝を込めて、日本でもめったに手に入らない、銘酒、獺祭2割3分の一升瓶、木箱入りです)と江戸切子細工のペア・グラスをプレゼントしました。AOFASの国際会員として推薦いただいたお礼です。とても喜んでいただけました。

ホテルの売店では、あのWeil法で有名なWeil先生を見つけ、お願いして一緒に写真を撮らせていただきました。

他にも、ドイツのWalther教授 、フランスのGuillo先生、オーストリアのBock先生、香港のLui先生やKong先生中国のGang先生、ブラジルのTrevisan先生、メキシコのCuellar先生たちと再開し、楽しく過ごすことができました。みな、今までの国際学会で知り合った先生たちです。

この学会で、オーストラリアのLam先生MICA法の発表をされていました。その後、同じ手術をするものとして、ご挨拶させていただきました。Lam先生とは、翌年、シドニーで開催されたMIS手術セミナーの講師として私が参加したときに、再会しました。その後も、他の国際学会で、現地やオンラインで何度もお会いしています。重要な論文や本も出版されており、私もよく参考にさせていただいています。

この学会には、東大や帝京大学をはじめ、日本からも大勢の先生が来られていました。

学会場の別の部屋では、例によって器械の展示即売場があり、Innomed社のブースで、格安のヒンターマン・ディストラクターを見つけました。

これはMIS用の器械ではないですが、足の手術にいろいろ使えます。ストライカー社の骨折のセットに入っているのですが、同社の器械を使うとき以外は使えず、不便に思っていたものです。

さっそく購入しようとすると、初日は展示だけで販売はできない、と言われました。しかも、今回は数個しか用意していないとのことでした。そこで、「これは非常に便利な器械だし、この価格なら絶対売れ切れてしまうだろう。明日、必ず買いに来るから、私の分を取り置きしておいてほしい」とお願いしました。翌日、そのブースに行くと、「あなたの言った通り、大人気でほとんど売れてしまった。あと残り2つだけど、約束通り取り置きしておいたよ」とのことでした。こうして、晴れてこの器械を格安で購入して帰りました。今でも手術のときに、ときどき使っています。

さて、この学会で、実はかなり危ない目にも遭いました。開催日の前日から、会場に隣接した高層ホテルの30階に泊まったのですが、翌朝、学会場に向かおうとすると、エレベーターが止まっていました。非常階段を使うように言われ、しかたなく30階を降りたのですが、途中の階で扉の向こうが丸焼けで白い灰に包まれ、天井から水滴が滴っていました。寝ている間に下の階で火災が起こっていたのでした。

1階には、まだ消防士がたくさん残っていました。

おそらく館内放送があったのでしょうが、学会参加前は、それまでに何とか仕事を片付けなければいけないため、いつも過労気味であり、また時差もあって爆睡していたので、全く気づかなかったのです。

そう言えば、しばらく電気が復旧しないだとか、希望者は他のホテルを手配するとか、部屋に電話がかかってきたのか館内放送だったのか、何か聞いたような気がしましたが、とにかく眠くてうろ覚えでした。

ホテル・ニュー・ジャパンの火災で、父の知り合いが亡くなったのを思い出し、青くなりました。30階では、例え気がついても、逃げようもなかったかも知れません。

エレベーターが動くようになるまでは、学会の合間や終わりに部屋に戻ろうとすると、今度は30階まで階段を上っていかないといけませんでした。階段の途中で息を切らせて休んでいる人たちが何人もいました。

そのことをFacebookに上げると、インド人のLala先生から、神様のおかげだ、とお見舞いのメッセージをいただきました。彼は、MISを始めるより前に、アメリカのロズモンドで2010年に行われた足関節鏡のセミナーに参加したときに、同じテーブルで実習を受けた仲間です。彼は今、ドバイで働いています。遠方の友からも心配していただき、感激しました。

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