2019年3月21〜23日、モロッコのマラケシュで行われた国際学会に参加しました。
国際最小侵襲足の外科学会GERCMIP(現MIFAS)主催の会です。
今回はカタール航空を使ったのですが、まず日本で搭乗手続きする時に驚いたのが、機内持ち込みの荷物の制限が7kg(普通は10kg)と言われたことです。しかたなく荷物を2つに分けることになりました。これが、帰国後にもちょっとした影響を及ぼすことになります(笑)。
さらに焦ったのは、なぜか予定表に書いていないカサブランカに一旦着陸したことです。間違った飛行機に乗ったと思い、他の乗客がどんどん降りていく中で、スタッフに何度も確認しましたが、そのまま待てということでした。そのうちに、機内に清掃の人たちが入ってきてしまい、いよいよ本当に大丈夫なのかと思いましたが、やはりそのまま待てということでした。結局、その後に離陸して、本来予定されていた空港に到着しました。なお、このフライトは、乗り継ぎも含めて片道26時間かかりました。ヨーロパの少し南のはずなのに、こんなに時間がかかったのは初めての経験でした。
空港からの車は、ボルドー大学のLaffnetre先生とご一緒させていただき、外反母趾の手術の話をしながら、ホテル兼学会場に向かいました。
マラケシュは、建物が赤で統一された、エキゾチックな街でした。
いつもの学会秘書のCelineが迎えてくれたのですが、ここで学会場内のホテルの予約が取れていないことが判明(汗)。でも、Celineが歩いていけるホテルを手配してくれました。
今回の会長は、シドニーでご一緒させていただいた、Karrakchou先生とIsmael先生でした。
この学会では、2011年の第3回のブリュージュで初めてMISについて英語発表をさせていただき、2015年の第4回のバルセロナではMIS in the worldのセッションで日本代表でした。そして、このときの第5回ではFacultyの一人として参加依頼がありました。我ながら、ずいぶん出世したものです(笑)。
今回も、MIS in the worldのセッションで日本代表をさせていただきました。師匠の一人のVernois先生が司会で、各国からの医師の紹介後、各国のMISの現状や、よく使っている手技についてなどの質問がありました。
また、学会からの依頼で、踵部痛の保存治療の講演もさせていただきました。大得意な分野というわけではなかったのですが、たぶん持ち回りということで(笑)。
夕食会は、フランスのLavigne先生、当時帝京大学の教授をされていた高尾先生や秘書のCelineたちと同席でした。
Lavigne先生は、外反母趾に対するMISのうち、以前に私がメインの手技として行っていたbasal osteotomyの手技と成績について、初期の論文を書かれた方です。前にもバルセロナのMIS手術セミナーなどでお会いしたことがあり、フランス人らしく、MISのバーで骨を切るときには、フランスパンを切るように前後に動かしながらだと教えていただいたことがあります。
日本では私一人しかやっていない足の外科の第3世代MISですが、この学会には世界中から仲間が集ってきて意見を交わせるので、今回も有意義な時間を過ごすことができました。
帰りの飛行場では、足の外科医なら誰でも知っている、あのMaestro線で有名なMaestro先生が私のすぐ後ろに並んでおられ、パスポートの審査後に、なんと私に話しかけてくださいました!
大変気さくな方で、飛行機のゲートに向かう間、外反母趾の手術について意見を交換させていただきました。帰国後、Maestro先生は、ご自分がされている手術(内固定材を行わないscarf法)についての資料を送ってくださいました。
さて、帰国したときのことです。いつもなら、なるべく荷物を一つにして機内持ち込みにし、自分の荷物が出てくるのを待たなくていいようにしています。ですが、今回は行きも帰りも7kgの重量制限のために荷物が2つに別れてしまったため、預けておいた荷物が出てくるのを待たねばなりませんでした。他の客がどんどん荷物を受け取って消えていく中、かなり待って、自分の荷物は一番最後にようやく出てきました。もう少しで空港からの終電に間に合わないところでした。この日は深夜1時過ぎの帰宅となりました(笑)。
学会役員のお土産として、学会のロゴの入った革靴をいただきました。マラケシュの定番のお土産らしいです。しばらくスリッパ代わりに使っていたのですが、当時の写真が見当たらず、残念ながらお見せできません(汗)。