これは、骨にワイヤーを通すときに、周りの組織が巻き込まれないようにガードするためのものです。
2010年7月にワシントンで開催された、アメリカ足の外科学会AOFASで購入しました。このときが初めての国際学会への参加でした。
MISを知ったのがこの年の9月のスイスで開催されたヨーロッパ足の外科学会だったので、その前のことになります。
なので、MIS用として購入したわけではないのですが、小さいので、普通の骨折の手術だけでなく、MISのときにも使えます。
今まで買った器具の中では、たぶん一番使っていると思います。
MISでは、外反母趾のときのガイドピンの刺入、強剛母趾や変形性リスフラン関節症のときのドリリングなどにも使えて、非常に便利です。
私が初めて国際学会に参加するとのことで、もう亡くなった父が、餞別として米ドルで小遣いをくれました。たぶん、自分がアメリカに行った時に換金して、そのままずっと残っていたものをくれただけだと思いますが、そのお金で購入し、父の形見として、今でも愛用しています。
アメリカのInnomedという会社のもので、あらためてカタログで調べてみると、正式名称は”Sanders Pin Inserter”でした。
MISとは直接は関係ないので、今後このブログ〜MIS研究所〜でお話する機会はないかも知れませんが、このときの学会に参加する前に、自分が困っていた症例について、アメリカのStuart D Miller先生という方が論文を書かれていたので、メールで何度か相談させていただいていました。この学会で、そのMiller先生と直接お会いしてお礼を言うことができ、非常に嬉しかったという思い出もあります。Miller先生は、後日、私をアメリカ足の外科学会に推薦してくださり、そのおかげで同学会の会員にさせていただきました。
実は、以前ご紹介した「残念な器具たち:ハサミ付き持針器」もこのときいっしょに購入したものなのですが、こちらはあまり役に立っていません・・・。